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 中学生の女子の気持ちが、イマイチよくわからない。


 俺を誘惑して困らせる礼奈は、果たして子供なのか大人なのか、俺にどうして欲しいのか、全く掴めない。


 背伸びをしたい気持ちなら、俺もそうだったから少しはわかるけど、礼奈には俺みたいに焦って大人になろうとしないで欲しい。


 俺はまどかと交際していた時、年下だということもあり背伸びばかりしていたし、友達にまどかとの交際を自慢したくて、暴走したこともあった。


 『良、敏樹、創、俺達恋の暴走族』なんちゃって、彼女と手を繋いだとか、キスをしたとか、そのたびにいちいち男同士で騒いでいた。


 その俺が……

 今は恋の暴走族どころか、恋の迷路に迷い込み、出口すらわからない。


 こんなに好きなのに……。

 どうしてこんなことになってしまったのかな。

 

「夏休みが終わったら、俺達もう受験だぜ。創も法凛大学の推薦入試だろ」


「創もって、敏樹も法凛大学の推薦を狙ってんのかよ。勘弁してくれよ」


「俺はずーっとお前を見張る役目があるから、お前の傍から離れないよ」


「お前はストーカーか。違う大学を受験しろよな」


美貴みきも法凛大学なんだよ。恋人同士を引き離す気か?」


「はいはい」


 もしも二人揃って法凛大学の推薦入試に合格したなら、俺はずっと敏樹に見張られて四年間を過ごすことになる。


 そうなれば俺は敏樹に監視されながら、礼奈と交際しなければいけない。


 俺達の恋は、まだまだ前途多難かも。

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