魂の行方

旅行前日

間も無く日付けも変わるだろう時間に広田から電話がかかってきた

「あっ、もしもし？湊さん？」

「あぁ、そうだけどこんな時間にどうかしたん？」

「前に話したあとさ、自分なりに調べてみたんだよ…そしたらさ…んもの…が…ふめ…んだ」

急に声の音量、トーンが下がり聞こえないところが多くて思わず

「ちょっと待って、声小さすぎて聞こえんに？」

と言った

「あっ、あぁ…ごめん、何人かの所有者がある時期になると行方不明になってたってことがわかったんだ」

「それがどうかしたん？」

「そのある時期って言うのが今僕らが行こうってなってるあたりなんだ」

「はぁ！？なんで黙ってたん？…いや…言われない方が良かった気がするけどいいや…」

「ごめん、でもさ、湊さんには知ってて欲しかったんだ」

「どうして？」

「本当に嫌な予感がするから、何かあった時僕を置いて行って欲しくて」

「わっ、わかった…」

「じゃあ、また明日…おやすみ」

「おっ、おやすみ」

一方的に電話を切られた

寝ようと思って布団に潜り込んだが広田の言った言葉が脳内に渦巻き

寝付くのに時間がかかった