第7話 ボノボ

「私は争いを好みません。ラブ&ピースで行きましょうボノボ」

 語尾に種族名つけてくれると、わかりやすくて助かる。ボノボは、ゴリラ・チンパンジーと並ぶ、私たちに最も近い霊長類だ。

「人間を滅ぼす気はありません。みんな仲良く、話し合いで行きましょう」

 話し合い? なら大歓迎だけど……

 しかし私は、ボノボの逞しい腕に抱きすくめられていた。ちょ、話し合いじゃなかったの!?

「私たちの話し合い、イコールセックスです。老いも若きも、男も女も!」

 そうだった!  ボノボはセックスでコミュニケーションを取る種族だった!

「あー、いたいた。姉ちゃん、家に連絡も入れずに、男といちゃついてたのかよ」

 その時そこに、私の双子の弟があらわれた。 ボノボは私と弟を見比べて混乱している。無理もない。私と弟は一卵性双生児だから、そっくりなのだ。

「あー、ボノボさん。あなたがセックスする相手は私じゃなくて、あっち」

 混乱するボノボに、私は弟を押し付けて逃げ出した。

「アッーー!」

 ボノボはオスメスを気にしないから、弟とアナルセックスをして、満足して死ぬだろう。

 ごめん弟! 私の貞操と人類の未来のために犠牲になって!


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ちんこNo.1 DENNY喜多川 @YHB02461

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