【イメージ図 ③ ④】ケニング峠の戦い

【第12章 登場人物】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16816700429613956558

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 ケニング峠の戦いは、「陣立て合戦」の様相を呈したまま進んでいきます。


 アルベルト=ミーミルとセラ=レイス――2人の知将は、相手よりも優勢なを築くべく、自軍の陣容を臨機応変に改めていきました。


 このように突出したによる産物を戦場に現出するためには、現場における指揮官の力量や将兵の練度がカギになります。どれか1つでも相手に後れを取れば、如実に戦況へ影響を及ぼすのです。


 ヴァナヘイム軍の鬼才・ミーミルは戦場に在陣しており、自らの意思を自らの手で表現することができます。


 帝国軍の頭脳・レイスは先任参謀として全軍の作戦を司らねばならず、戦場から二十数キロ離れた総司令部を動くことができません。しかし、遠距離からの指示に応えるにも、現場の指揮官・ルーカーの経験・実績――取りうる戦術・陣形の選択肢――は十分でした。



 開戦劈頭へきとうより後手に回ったヴァナヘイム軍は、ズルズルと後ろに下がっていました。


 ところが、14時にさしかかる頃、後退を余儀なくされていたはずのヴァ軍が、動き出します。


 イメージ図③:9月14日 午後2時頃

https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16817330649502531852

 後退と戦闘を継続しながら、陣立てを改めつつあるヴァナヘイム軍



 イメージ図④:9月14日 午後3時30分頃

https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16817330649510773129

 帝国軍は、階段型を崩し鱗型陣形を目指すも、その完成などおぼつかない、「雑

然」とした集団になり果てていた。

 ヴァナヘイム軍は、触れた先から切り裂くような、2本の鋭い嚆矢こうしが完

成していた。





【予 告】

次回、「ケニング峠の戦い 5」お楽しみに。


18時15分、今度はルーカー師団が、峠側に押しやられる番だった。


だが、二十数キロ先の帝国軍総司令部・無電室では、セラ=レイスが反撃の機会をうかがっていた。


「いまッ!グラシルへ発令!!」

紅髪の先任参謀の命令は、稲妻のように現地へ飛ぶ。

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