第55話 護衛正式就任

〈作者から読者の皆様へ〉

新作、「終末の運命。咲かないリナリアと特異点X」をカクヨムにて順次公開中です。

初めての恋愛モノですが、興味のある方はどうかご一読下さい。

そうしていただけると、わたくしまんとる、恐悦至極でございます。





「…ありがとうございます、白川さん。」

海原との戦いを終えた後、俺は戦闘場の周りにある、太陽坂が集まっていた観戦場にきていた。

そこで、白川さんの叫び声が聞こえたのだ。

…俺を褒めてくれる声を。

「ひぇっ…!」

白川さんは俺の声を聴くや否や素っ頓狂な声を挙げて腰を抜かし、地面に経垂れ込んでしまった。

「だ、大丈夫ですか?」

俺はすかさず彼女のもとへ駆け寄り、手を差し伸べた。

白川さんは一度こちらを見た後、すぐ視線を下に下げ、俺の手を取った。

「…聞いてました?」

「…聞いてました。」

「んん~~!!」

白川さんは頬を朱色に染め、手で顔を覆いながら変な声を出した。

…そんなに恥ずかしがらなくてもなぁ。

聞いてしまったことに少し罪悪感が芽生えた。

そして、俺にはまだ言わなければいけないことがあった。

「…みなさん、すみませんでした。少し、お見苦しいところを見せてしまいましたね…。太陽坂の皆さんが望むのなら、僕は護衛をおりますから…。」

「いいえ!私は新条さんを望みます。」

キャプテンの東雲さんがそう叫んだ。

「…東雲さん。」

「わたしも、同じ気持ちです。新条さんじゃないと多分瞳ちゃんがだめなので、私は親友に同調します!」

そういうのは、西城 凛さん。白川さんとは親友なのか。

「り、凛ちゃん…!!

 ゴホンっ!でも、私も新条さんがいいです。」

白川さんもそう言ってくれた。

残りのメンバー7人は…。

「わたしも…!」

「やっぱり新条さんがいい…。」

「そうだね、守ってくれるのは新条さんしかいない…。」

等々、了承してくれた。

「…よかったです。

 じゃあ正式に、これからよろしくお願いします。」

こうして、何とか護衛解任は逃れた。

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黒帝~蓋世の還幸人~ まんとる @mantoru

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