アフターコロナの世界で僕たちが出来ること
- ★★★ Excellent!!!
2020年に発生した世界規模の新型コロナウイルス流行により、社会情勢は一変しました。密を禁忌とする価値観は集会を良しとはせず、コンサートや、握手会といった「アイドル、声優、歌手」とファンが直に接触を持つイベントは問題視されるようになったのです。
しかし、それでも尚ファンの熱き魂は燃え尽きることを知らず、イベントに命をかけるイヴェンター達は今日も頑張って活動を続けていたのでした。これはそんなイヴェンターの世界に足を踏み入れた僕と、彼を導くオタクな兄貴の物語なのです。
作中で専門用語について兄貴が細かく説明してくれる為、そういったイベントに詳しくない人でも安心して楽しめます。さらに言えば彼等はウイルスを軽んじているわけではなく「こんな時代でも出来ること」を懸命に模索しているのです。
必要は発明の母と言うように、情熱があればこそファンは活動の場をネットへと移行し、アイドルと交流する為に色々なアイディアを編み出すのでした。テレワークをしなさいとだけ命じ、具体的なプランを一切ださない人たちはこれを読んで参考にすべきです。
ただ、やはりイベントは現場の空気を共有すること…そして皆でその空気を作り出すことにこそ本質があり、今が我慢の時期だという点はどうしても譲れない所なのでしょう。事態の収束を願う気持ちは誰しも同じ。諦めず、投げ出さず、今やれる事で繋がりを作り出す姿勢は素晴らしいものです。
激動の時代をサブカルチャーの側面から切り取った貴重な資料でもあります。
興味のある方は是非!