田舎の政治は常にグレーゾーンの噂がついて回る。その現況が、この作品の題名とリンクしていた。
主人公は東京で夢にしがみつく様に、生きていた。夢は小説家。
しかし父親から帰京し、選挙に出てみないかと打診を受ける。初めは拒絶していた主人公だったが、自分の力で故郷に何かできるのではないかと考え、立候補を決意する。しかし、地盤も看板も鞄も失っていき、当てにしていた級友たちのほとんどが、県外に出ていってしまっていた。そして、再会した友人も、別のっ候補者を応援することにしたという。
田舎の農村意識が色濃く残る地では、出る杭が打たれるのは当然のことだ。ままならないながらも演説してみても、未来よりも今の生活のことを求めらる。さらに市より町のことを考えろと言われ、個人的な思惑も絡んでくる。
頑張れば頑張るほど疲れて、親しい人に離れられる。
そんな主人公が選ぶ道とは?
果たして、主人公は見事に選挙戦を駆け抜け、当選できるのか?
田舎の選挙のリアルを描いた一作。
都会出身の方、地方出身の方、両方にお勧めの一作。
是非、御一読下さい。