第11話 応援の手応え
総会のあった翌週の日曜、一気に町内の家々を回った。
何百という人と会ううちに、少しずつ反応が分かってくる。「若い人に期待してるで」と言って、積極的に手を握り返す人、選挙運動の労をねぎらい、社交辞令で「がんばってくださいね」と言う人、他の候補者を応援しているためか、迷惑そうな表情をする人。多くの人の反応を見比べるうちに、その人が支持者なのかどうか、次第に見分けられるようになっていった。
そして、熱心に応援してくれる人に会うことによって、冷たい反応を返す人の家でさえ、他の支持者のために回っているのだと思えるようになった。
そうやって活動を続けるうちに、遠く離れた町の婦人会にも呼ばれ、選挙演説を行えるまでになった。少しずつ自分の名前が浸透していっているのが、実感できるようになっていた。
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