第2話 サクラドライブ

彼と、初めて会った日から5日が経った


いつもと変わらない日常を過ごしていた

ある日…携帯の未読メッセージに目をとめた


メッセージを開くと、彼からだった


「こんにちは。あのお店でお会いした方ですか?」

気になっていた彼からの連絡に私は

嬉しい気持ちになり、すぐに返事をした


「はい。またお会いしてお話したいと思っています。」


そう、メッセージを返しながら、胸がドキドキしているような気がしていた


彼からの返事がきた

「はい、ぜひ会いましょう。いつにしましょうか?」


私たちは会う約束をした


約束の日、待ち合わせ場所に行くと

優しい笑顔の彼がいた


私は少しドキドキしながら、彼の車に乗った


プライベートで男性の車に乗るのは主人と結婚してから一度もない


主人と出会い10年以上が経つ

出会った頃の恋人のような感情は薄れ、

お互いに友達のような感覚に変化していった


仕事でも、男性と知り合う機会は多いが

今まで一度もプライベートの関係はない


どこかで心にブレーキをかけていたのか

感情の高鳴るような出会いがなかったからなのか…


久しぶりの、男性と二人きりのドライブに

私は少し緊張していた


車内には二人分の飲み物が用意してあった


ドライブ中は、色んな話をして私の心を

和ませてくれた


面白い話や真面目な話、ユーモア溢れる彼の

話、彼の話すことすべてが私には魅力的に写った


時期は3月


まだ少し早いお花見だった


サクラは咲いていなかったが、川沿いを二人で歩いてみた


橋が横に現れた時、彼が言った

「ものは、見方によって見え方が全然違って見えるんだよ」と、教えてくれた


橋は、上から見た時下から見た時とまるで違う

それは、どんなものでもそうだ

私はふと思った


私は、一つの方向からものを見すぎていたのかもしれない。視点を変えることも必要なのかもしれない」と…










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛し愛される本物のラブ アイマスク @fullmoonlove

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ