あとがき

 この度は初めての短編小説「暗澹のドールハウス」をお読みくださり、どうもありがとうございます。正直いって夢女子の妄想垂れ流しといったところですが、完成させられたということには意味があると思っています。

 この話は(そもそも単発企画ということもあり)これでおしまいなんですが、製作秘話をお話しようと思いましてあとがきを書こうと思い立ちました。元々物語を書くのは大好きで、二次創作ばかり書いていた私ですが、ある出来事がきっかけでオリジナルに少しずつ目覚め始めます。この出来事は私の人生に暗い影を落としつつ、力を与えてくれました。

元々(小さい頃は怖かったけれど)お人形は好きだったこともあり、人形が出てくるホラーはずっと前から企画していましたが上手く落とし込めるかどうかは不安でした。いや、不安しかありませんでした。結果的にはかなり粗が残る形になってしまいましたが、これがオリジナルに踏み込む為の第一歩だと思えば……。

 私自身、オリジナルの中ではそれほど自由にはなれないことを自覚しているのもあり、オリジナル作品はほぼ全て分かりやすい話になっています。持てる知識を全て注ぎ込んだ上で、死力を尽くして沢山の謎で彩った作品というのは二次創作でしか出来ないからです。そのせいもあってか、私の作品はファンが少ないようですが……。

 思えば私が謎解きにこだわるようになったのは巡音ルカの「トルエン」という曲がきっかけでした。あの曲は、美しくも深淵へ誘うようなメロディに乗せて一見意味のない歌詞が歌われるので、そこに引き込まれたのです。だから私の作品には、(少なくとも二次創作は)沢山の謎が仕込まれています。明確な法則が掴みにくい分、トルエン以上に解けない可能性は高く、尚且つ私自身も解かせるつもりはありません。一応ヒントをお伝えしますと、ポップンミュージックのとある曲(但し一部しか分からないので独自解釈込み)の世界観を一部借りているとだけ。ここだけはオリジナルも共通です。というのも、私は昨今のラノベが異世界転生ものばかりであることに疑問を持っているのです。

 何もせずに、特殊な能力を手に入れ戦っても勝つばかりでつまらないし、読者に何を訴えているのか分からない。ただただ楽しいだけの作品に私は疑問を持ちました(人間は苦界で生きる生き物だからというのもありますが)。だから私は自分の中にある世界を、この場に落とし込む練習をしているのです。その中に私が伝えたいことは確かにありますから。

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暗澹のドールハウス 縁田 華 @meraph

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