恋愛なんて、結婚なんて忘れてた
小野さとみ
第1話
あー、だるい。
統合失調症になって3年、薬でなんとか動けるようになったけど、眠気があり、娘を学校に見送るのが精一杯。
実父と一緒に住んでいるので生活できてるようなものだ。
昨日から始めたマッチングサイトを覗いてみる。
ダンナが30歳で他界してから娘の優香を産んで、仕事を頑張っていたらある朝、死にたいなぁってなって。
これはまずいなって思って精神科に行ったら統合失調症ですと。
それからはずっと、仕事出来ず遺族年金で生活する日々。
ある時、テレビでマッチングサイトが流行ってると言うので遊び半分に登録してみたのが1ヶ月前。
何人かの男性からアプローチはあるものの、これという人が見つからない。
今日はどうかな。
何人かのアプローチあり。
ケイスケという名前の人のアピールを読む。
音楽と読書をこよなく愛しています。一緒の趣味の方いませんか?
楽しみましょう。
私は、興味を持ち、メッセージを送ってみた。
こんにちは。
同じ趣味ですね。
ぜひ、お話ししてみたいです。
まあ、返事あったらいいなあ。くらいの感覚でいた。
歳は50歳で妻は他界となっていた。
顔写真は温厚そうだ。
返事が来たらいいなあ。
久しぶりにドキドキしていた。
薬が効いてきていつもの生活に戻ることが出来る様になった。
娘を送り出すと、洗濯をし、仕事場へ。
「おはようございます」
職場を変えて2年目突入。
作業所で働いている。
「三輪さん、体調は?」
スタッフの三友さんに声をかけられた。
「はい、少しずつ良くなってます」
「良かったわ。体調良くなったら声かけてね」
「はい」
恋愛なんて、結婚なんて忘れてた 小野さとみ @crown0907
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。恋愛なんて、結婚なんて忘れてたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます