17.見世物リィナとクールビューティー
結局、サレニアーナ嬢は何がしたかったのだろうか。
エルヴィス様と普段どのように過ごしているのかを訊かれても、特にお話するような
ただ、しきりと、私が以前からサレズィオ様にお世話になっている事をアピールしていたようだった。兄君の自慢がなさりたかったのかしら?
「違う。……と思うが」
サレズィオ様は苦々しいお顔をなさって、そっぽを向かれる。ワインに酢でも入っていたのかしらと思うような表情だ。
招待客のほぼ全員との挨拶が一通り済み、目をキラキラさせた若い令嬢たちの質問攻めにあったけれど、一昨日以前の事をあまり覚えていないので、実は答えようがない。
「人のプライベートに、あまり突っ込んだ質問は控えたまえ」
やはりサレズィオ様の助け船で、興味津々な令嬢の、時には明け透けな質問を逃れる。
サレズィオ様は、質問を躱す手段の一つとして、可愛らしい花で飾られたベリーがたくさん乗った一口タルトを皿にとり、手渡してくれる。
「確か、蜜漬けベリーが好きだっただろう?」
と仰られると、背後の令嬢達が黄色い声をあげた。なにか、私が失礼でもしてしまっただろうか?
婚約破棄出来ない!?から始まる悪役令嬢 ピコっぴ @picoppi_pen
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