キャラの個性をどう出すのか②――容姿と経歴

 エッセイを読み返していて、キャラクターって、一人称や口調だけではできていないと、以前の記事を読んで思ったんです。こちらの記事ですね。→https://kakuyomu.jp/works/1177354054894143501/episodes/16816927861987737466


 この点については書ききれていないのではないかと。ということでまさかの第二弾です。


 さて、小説は基本的に文章のみで表されます。

 しかし現代では、主役級のキャラは表紙に書かれることが多く、必然的に、この人が主人公かな?なんて思いながら、本を手に取ることも多いのではないかと思います。

 ただ、ここカクヨムでは、近況ノートに画像が貼れるとはいえ、表紙は基本的にありませんよね。それに、カクヨムを利用されているユーザーの方全員が画像を貼る機能を利用されているわけではありません。

 そして、現実を考えると、初対面の人がどんな人なのか知ろうとする時、まず見た目から想像することも多い気がします。


 そんな小説において、キャラの容姿をどう描くのか。悩みどころですよね。ということで、今回はまずキャラの容姿をどう書くのか考えます。

 キャラの容姿についてあまりつらつら書くと、地の文の流れが悪くなるように私は感じます。個人的には情景描写同様、長すぎてはならないのが容姿の描写ではないかと。

 私の場合、長編を書くときは主役級については事前に設定を行います。軽くこんな感じかなと設定画を描き、髪や目の色の設定を行います。

 ちなみに、私はファンタジーを書くことが多いので、髪や目の色は特徴的になりがちです。何というか、せっかく異世界を書くのだから、現実にはない色にしたほうが楽しい気がして。この場合、全体的な色味を考えて書きます。どういうことかと言いますと、メインキャラたちを頭の中で並べ、容姿の色のバランスが良くなるように決めます。以前書いたファンタジーの主要人物の髪色をあげてみると、水色、緑色、金色、茶色、桃色となります。

 現実世界だと、特に日本が舞台だと、キャラの髪や目の色は限られることが多いかもしれませんね。なので、ファンタジーの時よりも頑張って私は描写します。具体的には、色彩以外の容姿の描写をするように心がけます。

 例えば、今まで書いた中だと、



 長い睫毛まつげをぱたぱた上下させたかと思うと、○○は艶やかな前髪をかきあげて何か呟いた。

 

 鋭い風が駆け抜けたかと思うと、彼女の長い黒髪とセーラー服のリボンをさらりと揺らした。



 みたいな感じですかね。上記の二文は、同じ小説における同じ人物への描写で、文同士は離れています。ただ、二つ合わせると、「〇〇さんは長く艷やかな黒髪の、長い睫毛が印象的な女子学生である」ことが分かるかなと思います(私の描写が上手くいっていれば)。

 あと、個人的には、この例のように、人物の仕草に絡めて容姿を描写すると、容姿の描写が煩く感じない気がします。



 そして、小説のキャラには大体過去があるものです。個人的には、このような経歴もキャラの個性になりうる部分な気がします。それまでの経歴があって、今のキャラを作り上げているわけですから。

 パッと思い浮かぶのは、今は明るい性格のキャラが実は重い過去を持っていると知ると、そのギャップが目立って、そのキャラに関心が向くなんてことがある気がします。

 現代的な作品だと、ものすごい経歴(学歴、職歴とか)の人物だけど、会ってみるとものすごく話しやすい人ですごい人物に見えないとか。でも、ここぞって時には経歴通りの活躍をしてくれて頼りがいがあるとか。

 ものすごく曖昧な例ですが、私はこんな感じで、経歴もキャラの個性になり得ると考えている、という話でした。


 以上、前回の約束通り真面目な話になったかと思います。

 さて、来月で年度も変わってしまいますね。今年も四分の一が終わるわけで、月日の流れのはやさにはいつも驚かされます。それでは、今回もありがとうございました。


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