年末に帰省する大学生。就職活動はしているけれど、まだ一つも内定がない、という時期の若者です。その心情を描く作品は、ともすれば暗くなりがちなのでしょうが……。 この作品には、読者をグイグイと引き込む力がありました。とはいえ、わかりやすい起承転結が見えてきたり、一大イベントが発生したりするわけではありません。それでも面白いのです。 おそらく、あーだこーだと私が説明しても、この作品の魅力は伝わらないでしょう。皆様自身の感性で、ぜひ実際に読んでみて、お確かめください。