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「何か脱出する手はないものかのう……」


 おじいさんとおばあさんは手分けして妖怪村を調べ始めました。家の一軒一軒、道や空き地、集落の周辺に広がる田畑など、調べようと思ったらいくらでも怪しい所が出てきます。しかも、脱出しようとしている事を勘付かれたら対策をされてしまうかも知れないので、仲のいい住人妖怪に話を聞く事も出来ません。

 探り探り怪しまれないように慎重に行動をしている内に、また半年の月日が過ぎていきます。


 そうやって調べていると、おばあさんは村の外れで赤い何かを発見しました。長い妖怪村生活の中ですっかり忘れていましたが、その鮮やかな色を見て、唐突におばあさんは旅の目的を思い出します。


「もしかしたらアレが赤いアレの正体かも知れん!」


 ついに赤いアレの正体が分かると直感したおばあさんは、すぐに別の場所にいるおじいさんを引っ張ってきます。


「ほら、アレ! 赤いじゃろ?」

「本当じゃ、赤いアレは妖怪村にあったのか!」


 おじいさんも赤いアレを見て興奮しています。おばあさんはおじいさんの肩を叩きました。


「やっと苦労が報われたねぇ……」

「じゃが、アレが本当に赤いアレかどうかは……」


 慎重派のおじいさんはまだ半信半疑のようです。そこでおばあさんは考えました。



 よく観察してみる

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894389260

 もっと近付いてみる

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894389503

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