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 じっと首をひねるおじいさんを見かねたおばあさんは、分かりやすく発破をかけました。


「そんなに疑うならしっかり観察すりゃええじゃろ」

「じゃあ、おばあさんも一緒に見てくれんか?」

「ああ、ええよ」


 と、こう言う流れで、2人は赤い何かを様々な角度で観察し始めます。よく見るとそれは赤い布のようでした。赤い布なんて特に珍しくもありません。正体が分かるとおじいさんはがっくりと肩を落とします。


「何じゃあ、ただの布キレじゃよ……」

「でも、どうしてこんなところにそんな布が……」


 おじいさんとおばあさんは微妙に話が噛み合いませんでした。おじいさんは正体が分かった途端にやる気をなくしますし、おばあさんは何故布がここにあるのかと更にその謎を追求しようとしています。

 そんな感じで、2人が布についての議論を続けていたその時でした。


「……お前ら、好き勝手な事を言いやがって……」

「ヒイッ! 布キレがシャベッタァァァッ!」

「俺をただの布キレと侮辱したお前らは許さんッ!」


 そう、ただの赤い布キレと思っていたそれは妖怪だったのです。その布妖怪は布キレ扱いされる事がとても不愉快だったようで、いきなり怒りゲージ100%なのでした。

 おばあさんはこの妖怪の怒りをなだめようと、勇気をギュッと振り絞ります。


「お、落ち着いてくだされ。何もワシらは……」

「問答無用……ッ!」


 怒りでブチ切れた布妖怪は次の瞬間に大爆発。おばあさん達はこの爆発に巻き込まれて死んでしまいましたとさ。


(おしまい)



 布妖怪のトラウマスイッチ刺激エンド ED37


https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894396928

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