122

「それじゃあ達者でなー!」


 おばあさん達は桃太郎達に別れを告げ、本来の目的である赤いアレ探しの旅を再開させました。歩きに歩いて集落に辿り着く度に隅から隅まで情報収集をするのですが、一向にめぼしい手がかりは見つかりません。

 道中で怪しそうなところを探したりもするのですが、アレの正体が分からない以上、全ては空振りに終わります。


「赤い花、赤い何かの道具、赤い木、赤い魚……一体赤いアレって何の事なんじゃろうのう、おばあさん」

「正体は分からんが、とんでもなく珍しいものなのでしょうねぇ」


 2人は悩みながら歩き続けます。ただ、正解の出ない、目的地のない旅は老夫婦2人の体力と精神力を削り続けます。やがて性も根も尽き果てて、2人は今後の事について悩み始めました。


「……ここら辺が潮時じゃろうか。なぁ、おばあさん」

「そうじゃのう、どうしようかのう……」


 どうやら、おばあさんの発言次第でこの旅は終わる雰囲気です。だからこそ、おばあさんも迂闊な事は言えないのでした。



 ここまで探したのだし、もう少し探そう

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894369315

 ここまで探したらもう十分、村に帰ろう

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894369644

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る