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「おじいさん、ワシは山がええですじゃ」
「山じゃな! じゃあ山に行こう」
こうして赤いアレ探しの旅は始まります。2人は山に行く準備を整え、荷物をたっぷり背負い込んで家を出ました。近所の小さな山には赤いアレがありそうになかったので、必然的に遠くの山に向かう事になります。
その道中で、山のプロのおじいさんがおばあさんにアドバイスをします。
「あんまり人里を離れてしまうとクマが出るから気をつけるんじゃぞ」
「あれまぁ、その時はおじいさんに守ってもらいますかねぇ」
「あはは……このジジイに任せとけい!」
おじいさんは胸をドンと叩いて笑いました。勿論それが冗談である事はお互いに知っています。若い頃ならいざ知らず、年老いたおじいさんがクマに立ち向かえるだなんておばあさんも思ってはいません。
ただの旅の道中の楽しい会話のひとつだったのです。長い道のりも話していれば短く感じると言うアレですね。
そんな感じで、知らない山に足を踏み入れたその時でした。運悪く2人の前にクマが現れてしまったのです。この予想外の展開に2人は分かりやすくパニックになりました。
「く、クマァーッ!」
「きゃあああ!」
「お、おじいさんっ!」
「あわわわ……」
2人の慌てっぷりに対して、クマの方は割と冷静っぽい感じです。じいっとおばあさん達を見つめたまま動こうとはしません。ここから先の運命はどうやら人間側の行動にかかっているようです。
クマが何だ、戦うぞ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894352975
クマは怖いから逃げよう
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894353003
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