「君子危うきに近寄らずじゃあ～っ！」

　女の子に怖いものを感じたおじいさんは一目散に逃げ出しました。

「ちょま、私を育てな！」

　逃げていくおじいさんに向かって女の子は叫びます。おじいさんは聞こえないふりをして走り続けたのですが、いつの間にか回り込まれていました。逃げ切れたと思っていたらいきなり目の前に現れたものですから、おじいさんは驚いてしまいます。

「うわああ！」

「もう一度言う、私を育てな！」

　おじいさんに向かって指を指して命令口調で話す女の子は、何か特別な力の持ち主のようです。ハァハァと肩で息をするおじいさんに対して、女の子は息ひとつ乱していないのですから。

　やがて、落ち着いたおじいさんは――。

　この子にはきっと逆らえないと、その要求を飲む

　怖い、やっぱり逃げる

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