第78話 AIに囲まれた世界~神様は他人事!

『ふぅ、太陽系の星の住民に見られていると思うと緊張しますねぇ?』

『そうだなぁ…本当に複雑だなぁ。もしかして、神様はいますかぁ?』

『はい、はい、神様ですよぉ。とは言っても司会進行ですけど…。』

『ちょっと、神様は他人事ですか?』

『まぁ、まぁ…この状況を知っているのは2人だけなんだからねぇ?これから起きる人にはくれぐれも内密にお願いしますよぉ。では、待たねぇ。』

『ちょっと、ひどいなぁ。』


『ところで、このスイッチは何ですか?気になるなぁ…。』

『ちょっと、これは押したら絶対だめよぉ。』

『良いじゃないですか。これを押したらどうなるのかぁ?気になるなるなぁ。』

『ちょっと、ちょっと、だめよぉ。ふざけていません?』

『良いじゃん、良いじゃん、ちょっとぐらい大丈夫ですよねぇ?』

『だめよぉ!絶対に!』

『こんなふうにですか?』

『…』


『えぇ!どうなっているんですかぁ?歴史が早送りに巻き戻っていますけど…』

『あなたが押したスイッチは2020年のスイッチよぉ。』

『もしかしたら…そうよぉ。』

『そんなぁ…そんなぁ…。悪夢の始まりになるのかぁ…。』

『そうよぉ。あなたが見てきた歴史はなくなるわぁ。』

『コロナウィルスの流行、失業率の悪化、ホームレスの増加、変異ウィルスの蔓延、株価の暴落、超高齢化社会、離婚率の悪化、南海トラフ地震、首都直下地震、東京ロックダウン、オリンピックの中止による首都移転、私立大学の大合併による受験戦争の勃発、AIによる管理社会などが再来よぉ!』

『そんなぁ、そんなぁ…これから新しい時代になるというのに…どうすれば良いのだぁ。』

『大丈夫よぉ。これまでの歴史は記憶として、全住民にインプットしておいたから歴史は変わるわぁ。』

『そうなんですかぁ。』

『そうよぉ。新しい歴史の始まりよぉ。』


『あれぇ、ここは?どこだぁ。』

『ちょっと、何時まで寝ているんですか?』

『えぇ、俺はいったい誰だ?』

『ちょっと、智くん、授業中に寝ていると又、先生に怒られるわよぉ。』

『智?』

『何を寝ぼけているのぉ。あなたは、吉岡 智、17才の高校3年生で早稲田大学を目指して受験勉強をしているでしょ?』

『あぁ、そうだったかぁ。アハハハァ…そうだったなぁ。』

『おい、智、見たか今日のテレビ?』

『えぇ、誰だったけぇ?』

『おいおい、受験勉強し過ぎて、頭が変になったか?水田 尊と神崎 友梨だろぉ。』

『そうだぁ。そうだよなぁ。尊と友梨だよなぁ。』

『ところで、尊どうした?』

『昨日から、横浜後に豪華客船が下船出来ないらしくてさぁ。缶詰め状態らしいよぉ。』

『そうそう、何でもコロナウィルスとか言うウィルスが蔓延しているとか…』

『ところで智はどう思う?』

『だめだぁ、だめだぁ、だめだぁ!下船したらこの国は終わってしまう。』

『おいおい、どうしたのぉ?智君。』

『大丈夫だって、政府がなんとかするだろう。』

『そうよぉ。今年はオリンピックがあるんだから…大丈夫だって。』


『悪夢が再びやってきた…』


                 『終わり』

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『レンタル〜AIに管理された世界』 末吉 達也 @yasu8376

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