第77話 AIに囲まれた世界~再生させるには…

『よし、次は何をしようかなぁ…』

『楽しみですねぇ?』

『そうねぇ…新しい世界を作らなきゃな。』

『といっても、再び争いや滅亡を繰り返すのが人間ですけど…』

『そうねぇ…確かに、そうかも知れないけど…その為には何が必要だと思いますか?』

『難しいなぁ…。人間は喜怒哀楽の他に成長する事により価値観が生まれて他人と競う事により欲求が生まれ達成感を得ますよねぇ?』

『そうねぇ…でも、誰もが得られる事ではないわぁ。例えば、生まれながらに障害を負っていたら、あたりまえに生活するのでさえ夢のように感じるものでしょ?それに、人間は常に精神になんだかの障害があるものよぉ。もちろん、私にもあなたにもあると感じているわぁ。そう、生まれながらに完璧な人間は存在しないのよぉ。』

『なるほど…。なら、どうすれば良いのですか?』

『簡単よぉ。『愛』よぉ。生まれた時に『愛』を持って接すれば『相手を敬う気持ち』を高める事が出来るわぁ。だからねぇ、『愛の女神』の彫刻を建てるつもりよぉ。生まれる前からあったら、不思議と敬うものよぉ…人間は常に自分に無いものを探そうとするでしょ?』

『なるほど…確かにそうかも知れないですねぇ…』

『では、早速、『愛の女神の彫刻』を作るわぁ!』

『おぉ~い!『愛の女神の彫刻』って…笑わせるなよぉ!』

『ちょっと、まだいたのぉ?帰ったのではなかったのぉ?あんたは必要ないわよぉ!散々、人類滅亡に加担したのに…魔人だか、地上の救世主だか、恐怖の大魔王だか知らないけど…結局は自己満足でしょ?』

『おいおい、それを言うかなぁ…。』

『えぇ?違うのぉ?貴方がすごい力があるのは知っているわぁ…まぁ、私とそれ程変わらないけど…。結局のところ、貴方の星では対した力もなく庶民だったでしょ?』

『サファイア様、本当ですか?』

『そうよぉ。確かに、地球人よりも遥かに文化も技術もすべて優れていた星で生活していたわぁ。でも、元々、住んでいた星は地球同様に同じように崩壊したわぁ。それで今は小さな星に移住して生活しているわぁ。』

『えぇ?本当ですか?知らなかったわぁ。』

『サファイアのいう通りだよぉ。でもなぁ、俺も必死だったんだよぉ。自分の故郷と同じようにならないように…解ってくれよぉ…』

『知っているわぁ。でも、最後に止めなかったのは貴方の責任よぉ。違う?』

『そうだなぁ…。後、一歩、踏み込んでいたら、国境がない、誰もが幸せになれる星に出来たかも知れないなぁ…。』

『でも、最初は頑張っていたわねぇ?今でも、変わっていないわねぇ?』

『えぇ?何をしたのですか?』

『まずは大陸を作ったわねぇ?』

『そうですねぇ…。海の中に入っては海底にある土をかき集めて、大陸を作りましたけど…』

『ストローを差してマグマを出して、島を作ったり、山を作ったりしましたねぇ?頑張っていたわぁ。』

『有難うございます。見ていてくれた人がいたんですねぇ…』

『そうよぉ。私達の星にはライブ配信されていたわぁ。』

『えぇ!マジですか…もしかして、その先の事もですか…あちゃ!』

『えぇ、聞きたいなぁ。見てみたいなぁ?もしかして、録画とかしていないですか?』

『もちろん!録画したのがあったかも…』

『ちょっと止めて下さいよぉ。まさか、撮られているとはなぁ…。参ったなぁ…』

『あった、あった…『ストローからマグマ噴射!口が火傷するの巻♪』を流すわねぇ?』

『ちょっと、ちょっと、個人情報保護法に引っ掛かるでしょ?』

『あれぇ、もしかして忘れていない?私達の星からあなたにたくさんの融資をしたのに…』

『えぇ?もしかして、神様って…そうよぉ。私達の星からのファンからの贈り物よぉ。『家、家財道具などなど…』』

『えぇ、そう何ですか…知らなかったなぁ。』

『では、見るわよぉ。』



『さぁ、今日は何をするのでしょうかぁ?楽しみですねぇ?』

『ですねぇ。先週の放送では、海から大量の土を海底から取り出しましたねぇ。』

『あぁ、今日はストローを出しましたねぇ?』

『ですねぇ…。もしかして?マグマを出そうとするのでしょうか?』

『このストローで、マグマを吸い上げる事ができてもまずいですよねぇ?運が悪ければ火傷しますよねぇ?』

『あちゃ、吸い上げましたよぉ…』

『アチィ!あぁ、水、水、水!!』


ほらぁ、氷と薬を届けて…

『ふぅ、助かった。有難うございます。』


『これで、大陸が固定されましたねぇ。』

『そうですねぇ…次は、ストローをいくつか差してマグマを噴射させてますねぇ?』

『あぁ、なるほど…山を作っていますよぉ。』

『なるほど…海の次は大陸、次に山ですか?なるほど…。』

『この後はどうしますか?番組からは?アダムとイブの投入しましょう。』


はい、アダムとイブを投入します。

『あぁ、神様初めまして、アダムとイブです。』

『はい、初めまして…(続く。)』


『えぇ、ここで終わりですか?続きが気になるなぁ。』

『しょうがないわよぉ。何年前に録画したと思うのよぉ。これは貴重だから取っておいたけど…』

『もしかして、今度は私達が撮られる側になりません?』

『そうよぉ。次は私達が撮られる側になるわよぉ?どうする?』

『嫌ですよぉ。』

『先輩も嫌ですよねぇ?いや、悪くないかもなぁ。1度しかない人生だしなぁ。』

『ちょっと、ちょっと、止めましょうよぉ…』

『あぁ、ごめんなさい!この『地球再生!新しい一歩』はすでに始まっているわよぉ。』

『えぇ!どういう事ですか?隠し撮りですか?』

『しょうがないじゃない。地球再生の為にたくさんのスポンサーがこの星に融資しているのだから、頑張り次第では良い星にも悪い星にもなるわぁ。ちなみに、番組は遠隔操作で太陽系の星に流れているから注意してねぇ。あまりに酷いとこの星を破壊するかも知れないからねぇ?』

『えぇ!責任重大だなぁ…』


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