想い

霧雨つゆ

 想い


いつも通りの朝を迎え、


いつも通り家を出て、


いつも通りに学校へ向かった、


そんなある日。


産まれた時から一緒に居て、


これまでの時間を共に過ごし、


これからも、


ずっと一緒に居ることが当たり前だと思ってた、


とてもとても大切な人と一生会えなくなった。






それは、突然だった。


なんの前触れもなく、


それは訪れた。


もう、君とは絶対に会えない。


そう頭では分かっていても、


心はそれを否定し続けた。


何故ならば、


今までずっと一緒に居たから。


何をするのも一緒だったから。


君と一緒じゃない世界なんて、


考えたこともなければ、


考えようとしたくもない。


でも、分かってるんだ。


どんなに、何を想おうとも、


もう、手遅れだと。




…………それでも。


それでも、君にこの想いが、


今まで一緒に居ることが当たり前すぎて、


伝えることのなかったこの想いが、


君の元まで届くと信じて、


君のことを想い続けるよ。




だから君も、


これから先、


もう一生、会えないけれど、


想い続けて欲しい。


最初で最後の、


産まれてきてから、


たった1度の、


君へのわがままを、


どうか、聞いてほしい。


そして、


どんなことがあっても、


歩き続けるからさ、


君も歩き続けてね。


疲れた時は、


休憩しても良いからさ。


ずっと、


この場所に留まることは、


許さないからね。




いまさらだけど……………、






『大好きだよ』

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想い 霧雨つゆ @kirisame_tuyu

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