第6話 平成の僕

 平成ウルトラマンシリーズ。ティガから数えるとして、そこからダイナ、ガイアと続きその後も展開はありました。

 当然、僕は見ていました。

 ウルトラマンダイナのパワフルさやティガよりもコメディタッチ、しかして負けないぐらいシリアスな展開も衝撃でしたし、意外と濃密な人間ドラマもあったりと楽しませてくれた作品ですね。

 特にガッツイーグルは大好きでしたね。おもちゃはまぁ、買ってないですけど……。

 そのほかにもウルトラマンを人工的に作り上げようとする防衛軍の偉いさんとか、そして出来上がった人工ウルトラマンの暴走とか、このあたりはかなり記憶に残ってますね。

 しかも件の原因を作った人は最後、ダイナのために命を落とすシーン。あれを名シーンととらえる人も多いと思います。

 そんなダイナですが……実は最終回だけ見逃してるんですよね……理由は覚えてませんが、たぶん習い事かなんかが重なったんだと思います。

 なので、ダイナが最終回でどうなったのかを僕は知らなかったんですよね。


***


 続くウルトラマンガイアでは二体のウルトラマンが活躍したり、昨今では当然のようになっている展開が次々と出てきます。

 当時の僕は単純なのですげーすげーといいながら見てましたね。アグルが出てきた回ではガイアが二人いるんだー! とか母親に向かって語ってたことを覚えています。

 それでもって、僕はガイアの戦闘機が好きでした。コンテナみたいな形から変形してマシンになるというギミックが好きだったんですよね。

 意外と、自分はウルトラマンシリーズの戦闘機が好きなんだなとこの時期に把握したんです。


 さて、ガイアは珍しくすべて視聴したウルトラマンでしたね。時期がよかったのもあると思いますけど。

 それでも忘れてる話とかはあるんですけどね。例えば終盤でアグルV2が倒されるシーンなんかはちょっと記憶にないんですよね。

 むしろ仲間になってからずっとガイアと一緒に戦ってくれた心強い仲間って認識の方が強かったんです。

 そして、最終回では人間、怪獣が協力してウルトラマンたちを助けるシーンは本当にいいですよね……。


***


 そんなガイアの次のウルトラマン……!

 が現れるのはちょっと後ですね。ガイアの次は確か……ゾイドでしたっけ?

 間が開くんですよね。

 一応、この時期にあったのはティガのファイナルオデッセイとかの外伝でしょうか。

 このころになるとウルトラマン以外のヒーローやアニメにも興味を持つので絶対にウルトラマン! ってわけじゃなくなっていましたね。

 それはそれとしてもティガファイナルの告知があった時は嬉しかったですね。またティガが見られるんだと無邪気に喜んでいました。


 そしてティガダークを見て、なんかこう「おぉ、なんかすごい」と思いました。

 一応、九歳だったか十歳の僕は物事を考えれるようにはなっていたので、ティガは古代では悪の戦士だったんですという展開に対しては「マジか!?」と思い、それでも正義のために戦うようになったんだよと言われて「わかっていたよ……」みたいなそんなノリでしたね。

 ちなみにティガの中ではティガトルネードが好きです。配色がかっこいいですよね。


 ティガファイナルはティガの物語の締めくくり、そしてダイナへのリンクへと繋がるストーリーで闇の巨人、古代ウルトラ文明とか端的ではありますがティガの謎が結構解明されたのも大きかったですね。

 あと三角関係? とか。なかなかきわどいシーンも多かったと思います。

 そして、子供ながらに、ダイゴとレナが幸せになってくれたことは本当によかったと思いましたね。


***


 そうこうして間を置いて、現れたのはウルトラマンコスモス。

 今度のウルトラマンは青いぞ! とアグルがいたにも関わらず僕は結構驚いていましたね。主人公として青いウルトラマンは初だったのもあるでしょうし。

 コスモスは従来のウルトラマンとは違って怪獣を倒すことはまずなかったです。時に、やむを得ない事情で手を出すことはありましたが、記憶が正しければコスモスが怪獣を殺すってシーンはないんじゃないかな。

 倒してきた怪獣は全部、偽物で生命体じゃなかったはずです。あとはロボットとか悪い宇宙人とかぐらいだったかな?


 むしろ怪獣と共存する、おとなしくさせるという設定は斬新で、OPの歌詞と相まって僕の中で新たなウルトラマン像が出来上がっていったんですが……残念ながらコスモスは結構飛び飛びなんです。

 はい、お稽古で……でも最終回はみましたよ!


 ま、さておきコスモスは従来とは違った作風なれども特に破綻することなく、しっかりとまとまっていた記憶があります。

 映画のファーストコンタクトではあなた、テレビより強くないっすか? と思ったのもよい思い出でしょう。

 コスモスに登場したウルトラマンジャスティスに関してはなぜか記憶があいまいです。映画で共闘し、レジェンドになったというのは覚えてますし、見ていましたが、僕の中でジャスティスはいつ出てきたこの人ってイメージなんですよね。

 映画のウルトラマンコスモス2を見てなかったからでしょうね……。


***


 さて平成シリーズはまだまだ続きますが、コスモスのころになると僕も成長します。小学校六年、そして中学になりますね。人によってはアニメや特撮を卒業なんてこともあるでしょうが、僕は全然かじりついていました。仮面ライダーもスーパー戦隊も見てましたしね。

 それに成長していくとお小遣いというものがもらえます。そして自転車でちょっと離れたレンタル屋に行くこともできます。

 そう、僕はこの時期になってやっと見れなかったセブンや80などを完全に視聴することができたんです。お小遣いは消えました。


 ですが皆さん。この年代にはあることが始まりますよね?

 そうです中二病です。なんか物事を斜に構えてみたり、しょせん人間なんて、世界なんてみたいなあれなノリです。

 かくいう自分もそれを発症はしていたんですが、だからと言ってヒーローなんて糞だぜとか正義なんてあてにならないみたいな方向にはいかなかったですね……別に腕に包帯とかもしてなかったですし、今に思うとどういう分類に中二病だったのか……それがわからない。

 まぁとにかくです。ウルトラマンひいてはヒーローものに関しては別に否定的になることもなく全然楽しんでみてましたね。

 多分、それはそれ、これはこれみたいなのがあったんでしょう。


 なにより3歳のころにみたウルトラマンという存在が自分の中で無意識に大きくなっていたのかもしれない。

 この作品を、シリーズをけなすようなことをしちゃ駄目だと思っていたのかもしれません。

 それに、正義というものを僕は信じていたんでしょう。ここでいう正義はかなり概念的なものです。社会正義とかうんたらかんたらとかは関係ない、超然的な、まぁそういうふわっとしたものですけど。

 なので、既存の正義を真逆に考えるとかの、その手の考え方は自分でも驚くほど持たなかったですね。

 まぁ興味がなかったので見てなかったというべきでしょうか。

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