「本当に頭がいい人」は意外な人物だった!

 私は世紀の大発見をしてしまったかもしれない。

 そこそこ耳にする「本当に頭がいい人は馬鹿にも分かりやすく説明する」なんて言葉がある。仮にこれが本当だったとして、しかしこれはまだ「本当に頭がいい人」止まり。これよりもさらに頭のいい「本当の本当に頭のいい人」が居るはずだ。私はこれが気になる。

 では「本当の本当に頭のいい人」はどんな人物かというと、「頭がいい人」の前に「本当に」を付けるのと同じようにして「本当に馬鹿にも分かりやすく説明する人」がどんなものかを考えれば導ける。


 では「本当に馬鹿にも分かりやすく説明する人」はどんな人物か。人それぞれ色々意見があるだろうが、ここでは「分かりやすい言葉を使う人」としようではないか。

 で、ここで私はさらに気になってしまって「本当に分かりやすい言葉を使う人」を導き出そうと試みる。こうやって前に「本当に」を付ける作業を繰り返すことにより本当の本当の本当に、真の頭のいい人がどんな人かが分かるのである。


 さて「本当に分かりやすい言葉を使う人」とはどんな人物か。きっと子供でも理解できるくらい分かりやすい言葉を使うのだろう。ということは――私はピンときた。

 これは「おかあさんといっしょに出演しているときの、歌のお姉さんと体操のお兄さん」ではなかろうか。まあ他の番組でもいいっちゃいいんだけど、ここはおかあさんといっしょに代表してもらおう。ここで大事なのは出演しているときというところだ。そりゃオフなら彼らも普通にしゃべっているであろうことは容易に想像できる。


 で、ここでさらに突き詰めてもいいのだが「本当におかあさんといっしょに出演しているときの、歌のお姉さんと体操のお兄さん」と書いてしまうと、まるで影武者かドッペルゲンガー的な何かが居るみたいで恐ろしいではないか。あるいは彼らがサボっているみたいで、こんなことは私はとても書けない。ということでこの試みはここいらでお開きとしよう。


 さあ、これで結論が出た。「本当の本当の本当に頭のいい人」は「おかあさんといっしょに出演しているときの、歌のお姉さんと体操のお兄さん」である。オフの時はそうでもないらしいというのが面白い結果である。

 まあ、この結論には異論がありそうではあるが、そんなこと言うならそもそも「本当に頭がいい人は馬鹿にも分かりやすく説明する」自体が勝手な定義づけでお話にならないのだから、そんなことは今更なのである。文句はただの説明上手を頭のいい人と思っている馬鹿に言ってもらいたい。


 今回はこれで終わりである。

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詭弁風の戯言 焼き芋とワカメ @yakiimo_wakame

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