後日談4 あれから
彼と別れてから、2年が経った。それでも辿ってしまうのは、切れてしまった彼との繋がりで。振り切れない未練が、図太く私の中に残り続ける。どれだけ引き摺っても、擦り切れない。
そんな未練。
あの時、要らないと言った彼からの最後の贈り物ですら、未練がましく大事にしまってる。こんなのだから、何時までも引き摺っているのに。分かってても、捨てられない。捨てれるはずがない。
これが、私にとっての彼との最後の繋がりだから。
だから。ずっと持っているの。
身に付けもせず。
壊さないように。
忘れないように。
無くさないように。
見失わないように。
想い続けれるように。
今日も特に意味も無く。彼との思い出の場所に足を運ぶ。
蘇る愛おしい思い出に蝕まれながら、今も隣に居る妄想をして、1人で歩く。
買い物帰りに2人で通った私の1番のお気に入りの場所。
整備され、木々が並んだ住宅街の小川。住宅街にしては珍しい、泳いでる魚が見える程の綺麗な水面。ゆっくりとした時間が過ごせる様な、そんな場所。
思い出と黄昏てると愛する彼を遠目で見ることが出来た。
心が昂り、思い出と景色が色付く感覚があったが、彼の隣には予想通りに、予想していた彼女がそばにいた。
潤んだ視界では遠くの彼はよく見えなかったが。幸せなのは良く見えた。見えない筈なのに。
そんな中、気付くはずがないとと思っていたのに、私と彼だけが一瞬、不意に目が合い、逸らしあった。
すぐにでも声を出し、想いを伝えたかった。でも、もうこの言葉は。この想いは貴方に伝えない。伝えられない。伝えたい。届けたい。届かない。
もう明かすことさえ許されない。そんな想いをこれからも貴方だけに、密かに思い続けます。
あれからもずっと、貴方を愛してます。
貴方を愛してます 林花 集 @SyegeH
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