わああひ
旅に出ている最中、私の住んでいる村にて、子を
確かに深夜になると、「わああひ」と哀れな声で泣きながら、女が家の前を通って行った。
女の出向く先は夫のところで、女が夜な夜なやって来るので、夫は眠るどころではなかった。
ある夜、あまりに腹が立ったので女を家の柱に縛りつけてみたが、翌朝見てみると血のついた衣服の切れ端だけが残っていた。
家を空け、よそで寝てみても、女は夫のもとへやって来た。
僧侶に読経してもらっても効果がなく、夫は参ってしまった。
そんなときにある物知りが夫に教えるには、「下着をうぶめに渡せば来なくなると聞いたことがある。やってみたらどうだ」とのことだった。
夫が試してみると、女は二度と姿を見せなかった。
参照:高田衛編・校注「江戸怪談集上」の宿直草『産女の事』
細かい部分を省略した。後半は違うが、杉浦日向子「百物語」に同じ話がある。
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