ある男が病で寝ていると、大きなねずみがやってきて、彼の足をかじった。

 起き上がっても逃げなかったので、男はそのまま鼠を打ち殺した。

 

 しばらくすると別の鼠がやってきて、また、男の足をかじった。

 これも同じように殺したが、鼠は次々にやってきた。


 猫や人を男の側に置いても守り切れず、木箱に入れても無駄だった。

 訪れる鼠の数は増えるばかりで、とうとう男は食い殺されてしまった。


 似たような出来事が別の土地でもあったそうだ。



参照:高田衛編・校注「江戸怪談集上」の宿直草『鼠、人を食ふ事』

現代の感覚で支障のある部分は略した。前半はそのまま理解できるうえ、良い文章。

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