後妻

 ある男が妻を亡くして七日目に後妻を入れたところ、すぐに後妻の様子がおかしくなった。

 傍目からみれば、目に見えぬ何かと争っているようにしか見えないのだが、後妻には先妻の姿が見えているとのことだった。

 話を聞いた知人が男にお札を貸し、後妻が落ち着いた様子をみせたまではよかったが、今度はその知人の家でおかしなことが起きだしたので、知人は慌ててお札を取り戻した。



参照:高田衛編・校注「江戸怪談集上」の宿直草『幽霊、読経に浮かびし事』

結局、読経で供養されるオチなのだが、無いほうがよいと思い省略した。よい話。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る