百物語

 怪談を百話せば怪異が起きるという。

 若者たちがあつまり、九十九まで語った。

 最後の話を始める前にさかなを片付けてしまおうと、一人が立ち上がって重箱の残りを同座の者に分けはじめた。

 そのときに「こちらにもひとつ」と天井から手が伸びて来たところを、若者のひとりが間髪入れずに切り落とした。

 見るとクモの脚先が落ちており、長さは人の中指ほどであった。



参照:高田衛編・校注「江戸怪談集上」の宿直草『百物語して、蜘の足を切る事』

ネタバレの題名はやめてほしい。もっと短くまとめたかった。好きな話。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る