白い何か

 僧が集まって遊んでいる最中、そのうちのひとりがふと席を立ち、そのまま行方知れずになってしまった。

 三日後、ある寺の下僕が山へまきを取りに行ったところ、遠くの大木に何か白いものがひらひらとしているのに気がついた。

 その話を聞いた寺の者たちが険しい山道をえて、くだんの大木にたどり着くと、枝に引っかかっていたのは白い着物であった。

 そしてその木の下に、引きちぎられた僧の死体が転がっていた。



参照:高田衛編「江戸怪談集上」の宿直草『ある寺の僧、天狗の難にあひし事』

天狗の仕業を示す証拠はないので、正体不明にしたほうが話としては良いのでは。

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