　その日は大雪で休校になった。

　そんな中を無理して学校に向かった少年は連絡役を任されることとなる。

　少年は渋々ながら急いでクラスメイトに連絡をすることに……。

　だが……連絡した相手には既に少年からの連絡を受けていると言われた。

　そんな筈は無いと否定し連絡を続けたが、皆少年から連絡を受けたという。親御さんも同様に答えた以上、悪巫山戯の可能性も低い。

　そこで機転を利かせ連絡網の最後から電話してみると、まだ連絡が無い様だった。

　その後数人に連絡し、次に電話をかけた相手との通話の最中……それは起こった。

「今日、休校になったんだけど……」

「あ、悪い。キャッチ入った」

「…………」

　待つことしばし……再び電話に出た生徒は、少し楽しげだった。

「おい。どんな悪戯だよ？」

「え？何が？」

「いや、今掛かってきた電話……お前の声で『今日休校だから』って……スマホでも使ったのか？」

「いや……俺じゃないよ？」

「ハハハ。嘘吐け、手の込んだ真似しやがって……」

　結局信じては貰えず、翌日には『二度電話を掛けた男』とからかわれることになった……。

　勿論、少年が一度しか電話していないのは職員室の教師達も確認している。

　着信履歴を確認した友人の話では、学校からの通話記録しか残されていなかったそうだ。

　一体何が起こったのかは当然謎のままだ……。　

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい