第六十八話 トイレの花子さん
ある中学校のトイレには『花子さん』が出ると言われている。
だがそれは、一般的に伝わる怪談とは別物。
校舎三階の女子トイレ……その一番奥の扉に入り『とおりゃんせ』を一小節毎に区切り間を空けて歌うと、隣のトイレから壁を叩かれるのだという。
中学生というのは多感な年頃で、これを試そうとする者は後を絶たなかった。
だが……ある少女が三階ではなく一階でそれを行ったことで事態が一変する。
絶叫、そして嘔吐……一階でそれを行った少女は、何らかの発作を起こし救急車で搬送された。
その場に居た少女の友人は教師達にこう語った……。
「あの時、突然誰も居ないトイレのドアが閉まって、勢い良く壁を叩く音が……怖くなって逃げようとしたら、あの子が足を捕まれて逃げられなかった」
話を聞いた教師がトイレの中に確認に向かうと、奥から二番目のトイレの壁には血の様な赤い手形がビッシリと付いていた……。
以後、この学校では『トイレの花子さん』の話が厳禁になったのは言うまでもない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます