第六十七話 布


 夏休みになりダラダラと過ごしていた少年は、近所のコンビニにアイスを買いに出掛けた。


 気温の高さに文句を言いながらも、アイスを食べつつスマートフォンを操作して歩く少年。


 その時ふと何かが目の前を横切り視線を移すと、白い布のようなものが突風に飛ばされていた……。


 何処かの家のアンテナに絡み付いて止まった布をボンヤリ眺めていると、やがて不自然に風に逆らいヒラヒラと浮遊を始める。


 布はそのまま逆風をものともせず空高くに昇って消えた……。



「動画撮り逃した……」



 少年は、そう後悔したという………。


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