第五十五話 雨乞い
雨乞の儀式には生き物を利用したものがある。
蛙を樽などに入れた後、蓋をして棒で叩く……などという酷いものもあるが、ある男は何を思ったか蛙ではなく蛇でそれを行った……。
しかも、あろうことかそのまま樽を放置し忘れてしまったのである。
蛇は執念深いと言われている──男はやがて気が触れた様にのたうち回り、骨と皮だけの姿になった。
困った家族が寺に相談すると、住職は男の家の蔵に一直線に向かい樽の蓋を開けた。
そこにはすっかり弱った蛇の姿が……。
辛うじて生きていた蛇を逃がすと、男は見る間に回復し事なきを得たという。
生き物を無駄に苦しめると我が身に返る、そんな教訓話として今でもその出来事は伝えられている……。
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