第三十一話 御札
昭和も初めの頃、盗っ人被害が多く困っていた家があった。
ある日、その相談を受けた親類が一枚の御札を持ってきた。
その御札は犬神大権現の札──言われるがまま蔵の外壁に札を貼ると、ピタリと盗っ人が近寄らなくなったという。
しかし……その札は非常に強力で、どこからか狼のうなり声が聞こえてくる程だったそうだ。その為、家畜の馬が恐怖のあまり痩せ干そる結果に……。
また、夜の暗闇の中で蔵の壁の札を見ると、キラリと光る二つの目が見えたという。
盗っ人が近寄らなくなった代わりに家畜が使えないのでは意味がない。家主は御札に感謝を伝え、札を頂いた神社へと返納したという……。
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