第十七話 狸②
夏休み。父の田舎に泊まり掛けで遊びに行った少年は、不思議なものを見た。
夜の空を赤く光る何かがフラリフワリと飛んでいるのだ。
一緒に居た祖母に尋ねたところ、あれは狸の仕業だという。
祖母の話では、狸が山で人間に出会すと、警戒してじっと睨み合うのだという。そして突然口から泡を吐き始め、やがて人の身長程の提灯となりフワフワと漂うのだそうだ。
提灯に気を取られていると、狸は既に姿を消している……それは狸の生きる術だと祖母は笑った。
少年が何故祖母がそれを知っているのかと問うと、祖母は笑ったまま答えた。
この目で見たからだよ、と……。
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