僕の好きな子は僕のヒーロー、僕は君のマネージャー
小鳥 薊
モノローグ
「マルさん」は気の抜けた高い声
「ミチザネくん」はドスの利いた低い声
あれからどんどん君の声は増えたね
どんどんしゃべれるようになったね
初公演のお祝いに
僕は君へ新しい声を贈った
名前は「キイナ」
小野小町も驚く愛らしい人形だよ
君はどんな声を与えるんだろう
人形に命を吹き込むことは君にとって自然なことで
君はまるで神様だね
僕の神
僕のヒーロー
僕はかつて君が僕を救ってくれたように
君のヒーローになりたかった
君が困ったときはいちばんに助けに行く
君の才能が花開いたとき
僕は君のヒーローじゃなくって
恋人でもなくって
とどのつまりマネージャーになっちまった
声はこわくないんだよ
あれから君に言い聞かせている
言霊っていうけど
君の言霊は強いんだ
君は声で世界中のヒーローになれるさ
高い声
低い声
言葉の一つ一つが
君を輝かせる
君の味方
声はこわくないんだよ
「キイナ」はどんな声で僕に語りかける?
第一声は何かな
もしも僕が君にとって特別なら
愛してるって言ってくれてもいいんだぜ
僕は君が好き
君を愛してる
そろそろ幕が下りるね
君はすごいな
僕は君のヒーローじゃないかもしれないけど
君の味方
僕の好きな子は僕のヒーロー、僕は君のマネージャー 小鳥 薊 @k_azami
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