第6話諦め
ダメダメな私は病院の先生に安静にしなくてもいいよと言われてからも、横になり続けていました。
子育ての不安が、動けないことで爆発的し、心にグサグサトゲトゲと何か刺さっているものが……。
ああ、子育て準備、しんどい。
買い物しなくちゃいけないけど、何か買わなくちゃいけないし。何が必要かもわからない。
ある日、相方に電話した。
「子育てに必要なもの、買ってきて。メモしたから」
「わかった」
そうパパが言ってくれて、安心した。
一週間後。
「必要なもの、買ってくれた?」
「ごめん、買ってない」
「買ってよ」
二週間後。
三週間後。
「買ってって行ったのに、なんで買ってくれないの」
「電話だとよくわからないし、色々あって……買おうとはしているんだよ」
なにそれ、なんで。
私動くの怖いから、買って欲しい。
四週間後。
買わなくちゃダメなのに、どうして。
なんで買おうとしてくれない。
父親になるのに、自覚欠けているのかな。
それに。
相方に、電話した。
「わたし、子ども産むのやめる。諦める」
「ちょっと待って」
「だって私が、子育てできるわけない。子ども産まれたら、施設に預ける?」
「無責任なこと言っているよ」
「産んで育てられない方か無責任だよ」
もっと落ち着いて考えて、なんて私にはムリ。
子育てもきっとムリなんだ。
どっとどっこい家族の走り書き 名前ある誰か @namaearudareka
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