第13話 能力の発展を目指して
光が終わるとそこには屈強そうな男が立っていた。
「おお! 今ならユリに反抗できそうだ!」
ムリドは言った。
ムリドの体と声が重なり皆はうなずいた。
「ムリドさんにピッタリですよ」
ドアイラトは言った。
「そうか! ありがとう!」
「やめてください! くっつかないで!」
「す、すまない。それにしてもドアイラトは小さくなったな」
「そ、それは言わないでください」
「ムリドがオレとは見た目が変わり、仲間が増えた。しかし、仲間が増えたのはいいことだがどうするんだい?」
アルデンテスは言った。
「そこなんですよね」
ローズは言った。
「見えなかったんです。ユリの文字が。何かパワーアップの方法って無いんですか?」
「使う」
アルデンテスとモンクは言った。
「え?」
「ワタシが言います」
モンクは言った。
「この本の主人公は口撃魔法使うことで少しずつ口撃の効果、文字の見える範囲を拡大させていきました」
「え? じゃあ」
「そうです。ムリドさんのようにどんどん仲間を増やすために口撃魔法を使っていきましょう! そうすれば口撃魔法は強化されきっとユリさんの文字も見えるようになるはずです!」
「長い旅になりそうだぜ!」
ギルは言った。
「そうでやんすね!」
クッスが言った。
2人は笑っていてローズには楽しそうに見えた。
「方針はわかった。つまり、俺やドアイラトの元仲間たちと遭遇して口撃魔法を使えばいいわけだな」
ムリドが言った。
「そういうことです。しかし、それにしても静かですね」
モンクは言った。
モンクの言うとおり雷音が響き、学校は瓦礫に変わったというのに野次馬は誰一人として学校に来ていなかった。
異常事態とは言えヒトが活動しなさすぎではないか、とローズは思った。
「それなんだが、俺に心当たりがある」
ギルは言った。
「多分、いや絶対だ! 俺たちの友がやられているんだ」
「俺たちは2人で来たんだがな」
ムリドが言った。
「いやアンタともう1人が来る以前の話だ」
「なるほど! ローズ! こいつは行く価値がありそうだぜ!」
「じゃあ、行こっか!」
ローズは言った。
「と言ってもどこに居るの?」
ローズは言った。
ローズたちは学校を後にして歩いていた。
「アジトにはそんな場所無かったように思うんだけど」
「あぁ」ギルは言った。
「ローズには悪いが見せられなかった。女の子にはキツイと思って」
「そんなに!?」
「あぁ、だが、ローズが行かないと俺たちの友は治せない。そうだろ?」
「ああ! もし、俺たちの仲間ならヒトの解毒術ではどうにもならない!」
ムリドが言った。
「だから私の出番だと」
ローズは言った。
「そうだ! 目指すは俺のアジトだ!」
ギルは言った。
アジトについてからも異臭がすることは無かった。
万一の全滅の可能性とローズの本体の安全を保つためにアルデンテス、モンク、ドアイラトは学校に残った。
「アタシが行かないと、そんな男まみれのところにローズさんを連れてけません!」
とドアイラトが言うことを聞かなかっため、
「俺がヒトの女に興味を示すと思うか?」
とムリドが言ったが、
「思います」
と即答だった。
仕方なく、
「おとなしくなぁれ!」
とローズが言ったことで強制的に待機させ、ローズ、ギル、クッス、ムリドでアジトにやってきていた。
「いいのか? ドアイラトちゃん置いてきて」
ギルが言った。
「いいのいいの、ドアイラトがいなくなったら戦闘要員が居なくなっちゃうでしょ」
ローズが言った。
「確かにな! アルデンテスとモンクじゃあ、俺たちの相手は無理だろう!」
ムリドが言った。
「ずっと気になってたんでヤンスが……」
クッスが言った。
「どうした?」
「ヒトの姿になっても、悪魔、のことをひとくくりで呼ぶのは何ででヤンスか?」
「俺が敵対しているのはユリだけだからだ!」
ローズはムリドの言葉に顔をしかめた。
しかし、周囲に同情の沈黙が流れる前に、
「さあ! 早く案内してくれよ、ギル!」
と言った。
「あ、あぁ」
ギルはローズたちをスロスの場所まで案内した。
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