第12話 姫さまとライバル登場 アフター
「姫さま。お手紙が届いております」
「……またデナリからか?」
「はい」
パリエ事件から一週間、『姫さま=巨乳』という認識がすっかりデナリ姫に定着してしまったようで、あれから毎日のように文が届いております。
「面倒じゃ、代わりに読み上げてくれ、セバスチャン」
「かしこまりました」
「『前略、親愛なるノーラお姉様。
昨今いかがお過ごしでしょうか?
お姉様から教わった”胸に良いレシピ”を参考に、毎日私自ら料理を作っておりますのよ。
おかげさまで、近頃少し効果が出てきた気がしますわ。
もう少し頑張って、またお姉様に会いに行きます。
その時は……今度こそ負けませんわよ!
追伸
お姉様の御威光をこちらの城下町でも広めるため、臣民にお姉様の肖像画を撒きましたの。
そうしたら皆がお姉様を慕っておりますわ。すっかり乳神様として。フフッ』
……以上でございます」
姫さまは途中からわなわなと震えだし、耳をふさいでおられましたが、最後の一文で一気にお顔がトマトのように真っ赤になりました。
姫さま、マジでプチトマト! プチカワ!
「……で、デナリのヤツは次にいつ来ると言っておるのじゃ?」
「ひと月後だそうで」
「……」
「……」
「セ、セバスチャン! 今すぐその”胸に良いレシピ”とやらを聞いてまいれ!」
「御意」
まあ、レシピは元々私が考案してパリエに伝授したものですけどね。
まだまだ、姫さまの受難はつづきそうですな。
このセバスチャン、楽しみでよだれが止まりませんぞ!
セバスチャンの姫さま日記 伍伍亭 @dolonchu
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