第11話 漏洩
「一体どうゆう訳?」
事態隠蔽部隊、隊長のカミーラは拳で机を叩く。
「何故、セルリアンの機密情報がこんなにも流出してるのか、隊内の裏切りか?」
対一般セルリアン部隊、隊長のザンは頭を掻きながら言う。
「皆さん、落ち着いて下さい…はぁ…て言うか情報漏洩防止部隊は何をしてたんです?」
セルリアン偵察部隊のシンがため息をつきながら言う。
「なっ!我々は隊員の裏切りも想定してSNSやその他様々な情報網に工作をしました!」
情報漏洩防止部隊、隊長のKは冷や汗ダラダラで言う。
「兎にも角にも、既にパーク外にセルリアンの情報が出回っていると言うことは、隊内の裏切りの可能性が高い、」
対特定特殊セルリアン部隊のコンは皆を見渡しながら話す。
「今、最も怪しいのは、ナナシ…そして胡蝶だ」
「はぁ、遂に狂いましたか?コン隊長?」
Kが頭を片手で抑えて言う
「ナナシは現在監禁中、処分待ち、胡蝶の行動も必要限管理してます」
シンはタブレットでナナシの映像を見せる。
「ナナシはサンドスターを使って収容室内から外部にサンドスター通信をしてるとすれば?と言う事か?コン」
ザンはコンの方を見て言う。
「その通り、俺達の研究しているサンドスター通信技術を盗み出した可能性がある、調査すべきじゃないか?」
全員は顔を見合わせ頷く。
「確かに、可能性は潰しておくべきですねコンさん、調査は私がやりましょう」
Kはノートパソコンを取り出して部屋を出ようとする。
「油断するなよ、K」
コンはKに目配せしながら言う
「わかってますよ」
Kはそう言うと部屋を後にした。
「俺達はB-16情報監視室へ向かうぞ、カミーラ頼めるか?」
カミーラは胸のポケットからカードを取り出して言う。
「余裕だよ」
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~ハンターズ地下16階 情報監視室~
エレベーターを降りると1枚の物々しい扉の前に来た。
「久しぶりだな、このSFチックな扉もかなり久しぶりに見た」
コンは扉を懐かしそうに見る
「ホントはここ、Kの管轄なんだけどね」
カミーラはカードを扉の横の端末にスキャンする。
すると、ピピッと言う音と共にドアが開き始める。
「私の管轄でもあるから、こうやって入れるの」
ドアが完全に開き、中に入ると、そこには正面に巨大な三面モニター、その前で35人程の隊員達がPCに向かって作業をしていた。
正面のモニターにはサイバーな世界地図が出ていて赤い光が次々と広がっていた。
「カミーラ隊長っ!」
隊員の一人が敬礼をしながらカミーラの方に来る。
「どうした?」
「巡回中のラッキービースト一体と通信が途切れましたっ!」
「何所のLBだ?」
コンが後ろから出て来る
「コン隊長っ!ご無事でしたかっ!」
「ああ、何とかな、それで、何所のLBだ?」
隊員はタブレットを手渡す。
すると、コンの眉毛がピクッと動いた。
「イヤな予感がする、この地点、ナナシの縄張りだ」
コンはそう言うと走り出した。
「ちょっと!コン!」
カミーラとザンはコンを追う。
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ナナシの収容コンテナ
胡蝶はナナシのコンテナの食料搬入口に何か筒のような物を入れようとしている。
「そこを動くな胡蝶」
キュイーンと言う音と共にナナシの胸、頭、喉に赤いレーザーポインターが写る。
「嗅ぎつけるのが早いですね、“隊長“」
暗闇から現れたのはリボルバーで胡蝶の頭を捉えているコン、喉を捉えるザン、胸を捉えるカミーラだった。
「今ならまだ戻れる、その筒の中身は知らないがそこから離れろ」
「……イヤです」
「離れろ」
「イヤです」
「離れろっ!!!」
「イヤだっ!!失いたく無いっ!邪魔するならっ!!」
胡蝶はSMGを構える。
その瞬間喉と心臓に弾丸がめり込んだ。
コンは、撃てなかった
しかし、胡蝶は地に伏せる間際に筒を搬入口に投げ入れていた。
「食料搬入口に投げ入れやがった!マズいっ!伏せろっ!!」
次の瞬間眩い光が収容室を包む。
対サンドスター反応装甲を変えたのだ。
「脱出成功、」
「ナナシ……」
胡蝶は窓ガラス越しに見える自由になったナナシに手を伸ばし、気を失った。
「ザンっ!カミーラ!応援要請っ!」
「コンッ!一体何が!?…胡蝶!?」
メガネは血を流しながら倒れている胡蝶を見て絶句した。
「早く医療室へ、今ならまだ間に合う」
「わ、わかった」
メガネは担架に胡蝶を乗せ、医務室に運び込んだ。
そして、サンドスターハイを打ち込む。
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ナナシは実に清々しい気分だった。
サンドスターロウがあるだけで高揚感が得られる。
やる気、体力、精神、全てが回復する。
素晴らしい……素晴らしい……
ナナシはそう考えながら収容室の天井をぶち壊し、外に出た。
「目指すのは火山…そこで最後の戦いを起こす…そうすれば、きっと平和な世界が……」
狩人の責務 帽子の男 @BIIGBOUSHI
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