第121話 一行怪談121

 昼間の公園で赤いキャップを被ったヒロト君と名乗る男の子と遊んではいけない。


 ふざけて窓をノックすると、赤子ほどの大きさの真っ赤な手形が浮かび上がった。


 エレベーターが五階で十分以上停止している時は、階段を使わなければならない。


 飛行船の側面に男の苦悶の表情が浮かんでいるが、誰も気にしようとしない。


 父の竹刀に赤い模様が浮かぶ時、町で浮浪者の撲殺体が発見される。


 弟の頭が突然爆発したが、いつものように新しい頭が生えるので誰も気にしない。


 兄の調子が悪いので、兄の腹を開いてズレていた内臓の位置を元に戻す。


 姉は時々死んだ彼氏の名前を呼ぶが、その度に肉塊が現れるのは勘弁してほしい。


 スーパーで人面魚の刺身が売られている。


 近所の足立さんの番犬のポチは、今年で六十歳を迎える。

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