第120話 一行怪談120
五十嵐君はワイヤーで首をぐるぐる巻きにしている以外、普通の男の子だ。
ネットの広告の一つに、私の髪の毛を売ると宣伝している店のものがある。
ゲームの登場人物に、事故で死んだ友人そっくりのキャラクターが出てくる。
裂かれた私の腹から出たのは藁。
袋詰めされた胎児が売られる近所のスーパー。
味噌汁に入れた豆腐は、どことなく脳味噌の味がする。
絵本に出てくる動物の台詞は、私の家族が話した言葉のみで構成されていた。
私と弟の共通点は腕が三本ということしかないため、私は本当に両親の子なのか。
無数の虫に貪られる夢を見た直後、布団の周りでいくつもの羽音が聞こえた。
ハンカチについたシミはどんどん大きくなり、今では言葉を発するようになった。
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