第114話 一行怪談114

 姉の髪は寝ている母の首へと伸びていき、苦しむ母の様子を楽しんでいる。


 生後間もない弟は、私たち家族に怒る数々の不幸を話した後にしぼんで消えた。


 花びら一枚一枚が鋭利な刃物になっている、姉が育てる菊の花。


 興味本位で彼女の名前をネットで検索すると、十年前の死亡事故の記事がヒットした。


 動画投稿サイトに投稿された動画の中に、夜中の私の家の玄関をただ映している動画がある。


 ラーメンをすすると、必ず茶色の長い髪が麺に混ざっている。


 蜜柑を食べ過ぎたせいで、にきびを潰した後から蜜柑の果汁が出てきた。


 リンゴの皮を剥いているうちに、間違えて腕の皮まで剥いてしまった。


 家族写真の背景は四季に合わせて、花が舞ったり雪が降ったりしている。


 携帯の充電が100%を超えても、充電は未だ終わらず一週間が経つ。

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