第100話 一行怪談100
弟の影から伸びる腕は、私に「おいで」と手招きする。
私が家に帰ると、「おかえり」と返事をするペットの鳥。
すった財布の中身を覗くと、私の名前と住所が書かれた一万円札が出てきた。
息子作のクッキーに、チョコチップに混ざって髪が入っていることには目を瞑る。
庭の梅の花は、かぐわしい死臭を辺りに漂わせる。
自転車置き場で赤子の泣き声が響く日は、誰かが自転車事故で亡くなる日。
教室の黒板に黒いチョークが置かれた日は、誰も声を上げてはいけない。
煙草の煙を吐くと、「死んでくれ」という字の形になった。
娘お手製のオムライスには、廃墟で集めた魂が混ぜられていて絶品だ。
ここまで話を読んでくださったお礼に、今夜あなたも私たちの仲間に加える準備を致しますので、青紫色の肌をした少女の案内を待っていてください。
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