第98話 一行怪談98
真夜中に箪笥から物音が聞こえても、声を出してはいけない。
無数の断末魔と肉を断ち切る音が響く、午前4時の我が家。
「娘さんの心臓にあったものは、腫瘍ではなく胎児です」と医者が告げる。
様々な犬の頭部が入った瓶が並ぶ自動販売機。
「この学校の七不思議を知ってしまったから帰れないんだ」と老人のようにしゃがれた声で泣く少年。
あの子を埋めてからというもの、庭にはクローバーが咲き誇る。
今年はチョコレートに切り取った舌の一部を混ぜて彼に贈る。
体をバラバラにされても元通りになったのに、夫の死因は熱すぎるホットコーヒーを飲んだショック死。
弟は重度の亡霊アレルギーで、ふざけた友人に心霊スポットに連れていかれてショック死したので、現在はその友人を告訴する準備をしている。
「うめぇ、うめぇ」と祖母の名前を呼ぶ死んだ祖父の声だと思っていたが、実際は祖父の霊を噛み砕いて味わう半透明の男の声だった。
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