第69話 一行怪談69
娘の太ももの傷口から見えるのは、二重三重にびっしり生えそろった歯。
注意、9:47発の電車の車窓にへばりつく女は見ないふりをしてください。
家族みんなで鍋を囲むときには必ず半透明な少女が紛れているが、彼女に何かを食べさせると祖父の二の舞になるのは分かっているので、みんな無視している。
息子の左手はもう動かないが、その左手を覆う蔦のなんと鮮やかなことだろう。
「ネタ探しに旅に出た作家」という寿司ネタがあったので、何かいいアイデアが生まれるかもしれないという願掛けに注文してみる。
枕から最近、腹が鳴る音が聞こえる。
梟の目がだんだんあの人の顔になってきたため、やはりあの人の目を移植して正解だった。
家の花壇に咲く花は、どんな花でも死臭を漂わせる。
実家の仏壇には見知らぬ少年の写真も飾られているが、そのことに言及してはならない。
冗談のつもりで友人にすすけたランプを渡して以降、友人は瞬く間に出世したので、現在は友人を殺してランプを取り戻す計画を立てている最中だ。
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