第61話 一行怪談61
友人の夫は肩に腐敗した青白い手を乗せているが、その薬指に見覚えのある結婚指輪がはめられているのを見て、夫が生前よく言っていた「俺は執念深いから」という言葉の意味をようやく理解した。
前から気にくわないと思っていた同僚を殺害するのは、これで四回目。
両親を事故で亡くし、通り魔に親友を奪われ、今回は妻を病気で亡くしたが、その度にリンドウの小さな花束が贈られる。
鏡の中の私は頭上の黒いもやに喜びに満ちた目を向けるが、そのもやはその度に怯えたように小さくなる。
腹を壊した弟がトイレにこもったまま一時間も出てこないので心配になって見に行くと、弟の服と臓物が散らばっているだけで弟の姿はない。
歌が好きな兄が歌い始めると、兄の体はどんどん透けていき、内臓の動きや血液の流れまでもがくっきりと見える。
選択を誤った姉の体がどんどんねじれていく姿を見せつけながら、「早く札を引け」とトランプを差し出す彼は何て意地悪なんだろう。
怖い話を子どもたちに面白がって話すも、「お父さんの背中にいる女の人の顔の方が怖いよ」と言われてしまった。
義父の目は時々黒目が虹のように色が変わるため、あまりの美しさに自分の手が無意識のうちに時折義父の目に向かって伸ばされる。
クリスマスから数日経った朝、「遅くなってごめんなさい」というメッセージカードと共にところどころ赤いしみがついたプレゼントの箱だが、そのプレゼントを贈られた息子が願ったものは、「完璧なパパ」。
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