第31話 一行怪談31
弟の誕生日の前日には必ず、親戚の誰かが死ぬ。
泣き止まない娘に嫌気がさし思わず口を塞ぐと、「あの時もそうやって私を殺したよね」と死んだ妹の顔になった娘が目を細めた。
痴呆が進んだ祖父がしきりに私の名を呼ぶので声をかけると、「なんだい、そこにいたのか」と微笑み私の首に手をかけた。
家の近くの川にはそこで亡くなった人たちが夜ごと集まり、「おいで、おいで」と合唱する。
鼻の奥が痛むので病院で検査を受けると、鼻の奥から犬の牙が取り出された。
回覧板を回しに隣家を訪ねると、奥さんではなく旦那さんが現れて回覧板を受け取ったのだが、旦那さんは一人前に亡くなったことを家に帰った時に思い出した瞬間、チャイムが鳴り「お忘れものです」と旦那さんの声が聞こえた。
鞄の中に見覚えのない生首が入っている。
神棚に中指の爪を供えるのが我が家の習わしです。
愛用のハンカチで汗を拭うと、ハンカチが泥水のように茶色に染まった。
赤ん坊の笑い声に誘われてロープの輪っかに首を通して、足元の椅子を蹴る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます