第2話 一行怪談2
赤ん坊の泣き声が、田んぼの稲の中から聞こえてくる。
ソファに座るたびに、ごきりと骨が折れたような音がソファから聞こえる。
どの百科事典を見ても、先日生まれたばかりの甥の名前が必ず載っている。
友人とルームシェアをするようになってから、「助けてほしい?」と問いかける声が聞こえなくなった。
生まれつき腕にある痣が、最近妹の顔に変化している気がする。
私が買うジャガイモには、必ず目が生えている。
本日はお日柄もよく、人を呪うには最高の日です……。
私にしか見えない矢印をたどっていくと、路地裏で腐乱した私の死体を見つけた。
最近、弟の影から血の濃い匂いがする。
家族のアルバム写真を眺めていると、ある日を境に私たち家族全員の顔が全く違う顔になっていた。
私の頭の中で響く怨嗟の声が夫と出会って聞こえなくなったかと思うと、義母が最近頭の中の嫌な声に悩まされていると夫から相談があった。
「最近飲んでるサプリメント、人肉の味がする」と友人に相談されたがどこを指摘すればいいのか分からない。
ボタンに水銀に鉛にコンクリートにプラスチックに粘土に乾燥剤が主食でありながら健康体そのものである娘は、本当に私の娘なのだろうか。
息子が最近私ではなく私の夫を母だと言い、義母を父だと信じて疑わない。
アパートに一人暮らしの私だが私以外の家族や友人全員が、私は一戸建ての住宅に妻と二人の娘と暮らしていると言う。
「助けて、助けて」という言葉が姪が引っ越した家の玄関に引っ越し日から書かれ続けているが、姪が失踪してから「助けないで」という言葉に替わった。
今夜はごちそうということで友人の家で焼き肉パーティーをしたが、どうも肉が兄の肉の味に思えて仕方ない。
私は生後間もない犬を引き取ってそれから1年間飼っているが、いまだに目を開かず体も全く成長しない。
テレビを見ていたら突如画面が砂嵐となり、画面の向こうで先月死んだ同僚がこちらへ手招きしている。
「チョコレートって*%$#&¥味じゃなくて甘くて苦いんだね」といった孫娘のことを、息子に問いただすか迷ってしまう。
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